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不動産売却の手引き

不動産売却とふるさと納税の関連とは?節税につながる活用方法

公開:2024.11.22 更新:2024.11.22
不動産売却とふるさと納税の関連とは?節税につながる活用方法
画像出典:photo AC

ふるさと納税は寄付で税金を控除し、地域貢献と節税が可能です。不動産売却による譲渡所得税も軽減でき、特別控除やふるさと納税併用でさらに節税が可能です。控除額を計算し、適切に利用することが重要です。

ふるさと納税とは

ふるさと納税は、自治体への寄付で税金を控除でき、地域貢献と節税が可能です。寄付額に応じた返礼品を選べる点も魅力です。

◇ふるさと納税の概要 

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付し、その金額に応じて税金が控除される仕組みです。寄付先の自治体からは、地元の特産品や商品などが返礼品として提供されます。納税者は返礼品を自分の好みに合わせて選ぶことができます。実際の負担は、2,000円を超えた寄付金額分について住民税や所得税から控除されるため、負担が軽減されます。この仕組みによって、地域貢献と同時に節税を実現できます。ただし、控除できる上限額は年収や家族構成により異なるため、事前に確認が必要です。例えば、控除上限額が7万円の場合、上限額まで寄付すると実質的な負担は2,000円だけとなります。

◇不動産売却の譲渡所得もふるさと納税の対象 

不動産売却による譲渡所得税も、ふるさと納税で軽減できる場合があります。譲渡所得税は、物件を売却して得た利益に課せられる税金です。この税金に対して、ふるさと納税を活用することで、寄付金控除が適用され、税負担が軽減されます。特に、売却時に発生した譲渡所得税が高額であれば、ふるさと納税を利用することでその一部を減らすことができます。 

しかし、寄付金額には上限があり、控除限度額は所得や税額に基づいて決まります。寄付できる金額を確認するためには、事前に自分の控除可能額を調べることが重要です。また、ふるさと納税を利用するには確定申告が必要なため、不動産売却後に税理士などの専門家に相談し、最適な寄付額を決めることをおすすめします。

ふるさと納税で本当に節税できる?

引用元:photo AC

ふるさと納税を活用した節税方法として、居住している物件を売る場合があります。特に譲渡所得税が発生した際に有効です。

◇居住している物件を売る場合 

居住用不動産を売ると、3,000万円の特別控除が適用されることがありますが、控除後も税額が発生する場合があります。このような場合、譲渡所得税の一部をふるさと納税を通じて控除することで、税負担を軽減することができます。これにより、実質的な負担が少なくなります。

しかし、この特別控除で譲渡所得がゼロになると、ふるさと納税での節税効果はなくなります。さらに、住み替えの場合は住宅ローン控除が適用されることが多く、ふるさと納税を利用するよりも控除額が大きくなることがあります。

◇決済が翌年になる場合 

不動産売却を行い、ふるさと納税の控除上限額を増やす効果があるのは、売却をしたその年のみです。

つまり、売却後にふるさと納税の決済が翌年になった場合、増える控除上限額は翌年の所得に基づくものになります。そのため、12月31日までに決済を完了しないと、その年の控除上限額が増えません。結果として、節税効果が減少するか、場合によっては効果がないこともあります。

年末にふるさと納税を行う予定の方は、決済日が年をまたがないようにスケジュールに余裕を持つことが大切です。

ふるさと納税で節税しやすい物件の特徴

ふるさと納税を活用した節税が特に効果的な物件について説明します。特別控除が適用されない物件、特別控除と併用可能な物件、そして取得費が不明な物件が対象となります。

◇特別控除が適用されない物件 

特別控除が使えない物件、例えば投資用不動産や所有期間が短い物件では、譲渡所得税が高くなる場合があります。このような物件では、譲渡所得税の負担が大きくなるため、ふるさと納税を活用することで、税負担を軽減しやすくなります。

譲渡所得税を支払う必要がある場合、その税額に見合った寄付を行い、ふるさと納税の控除を受けることで、実質的な負担を減らすことができます。

◇3,000万円の特別控除との併用が可能な物件 

居住用物件を売却した際、一定の条件を満たすと最大3,000万円の特別控除が適用され、譲渡所得税の負担が大幅に軽減されます。この特別控除は、主に居住用物件を売却する際に適用され、一定期間その物件に住んでいたことを証明する必要があります。しかし、この特別控除を利用した後でも、譲渡所得が残る場合には、その残った金額に対して譲渡所得税が課税されることになります。特別控除で減税される部分がある一方、控除後の譲渡所得に対しては依然として税金が発生するため、その税負担をさらに軽減する方法として、ふるさと納税を活用することができます。

ふるさと納税を利用すると、寄付金額に応じて税額控除を受けることができ、譲渡所得税の支払いに対する負担を減らすことが可能です。この場合、譲渡所得税で発生した税額に見合った寄付を行うことで、ふるさと納税を通じて税額控除を受け、実質的な負担をさらに軽減することができます。特別控除とふるさと納税を併用することで、譲渡所得税の軽減効果を最大化できるため、非常に効果的な節税方法となります。したがって、居住用物件の売却後に発生する譲渡所得税に対する節税対策として、ふるさと納税を活用することは非常に有効です。

◇取得費が不明な物件 

取得費が不明な物件も節税に有利です。取得費は譲渡所得税を計算する際に必要な情報ですが、不明な場合、税務署が基準となるため、譲渡所得税が高くなることがあります。

この場合、ふるさと納税を活用することで税負担を軽減することができます。譲渡所得税を支払う必要があれば、その金額に見合った寄付を行い、税額控除を受けることで、実質的な税負担を減らせます。

不動産売却でふるさと納税を活用するときのシミュレーション

不動産売却を通じてふるさと納税を活用する際には、いくつかの重要な計算項目があります。これらを理解し、適切に計算することが節税につながります。

◇計算に必要な項目 

まず、譲渡所得です。譲渡所得は不動産売却による利益で、売却価格から購入価格、取得費、譲渡費用を差し引いて算出します。この譲渡所得に基づき譲渡所得税が課税され、譲渡所得が多いほど税負担も増加します。

次に、住民税所得割額です。これは年間の課税所得に基づいて計算される税金で、ふるさと納税の控除額を決定するための基準となります。譲渡所得税に関連した住民税額を把握し、その額を基に控除を受けるため、住民税額をしっかり確認しておくことが大切です。

最後に控除上限額です。ふるさと納税の控除額は、納税者の所得や税額に応じて異なります。控除上限額は所得税と住民税の合計額の一部で、ふるさと納税を通じて寄付できる最大金額を意味します。譲渡所得税が高額な場合、ふるさと納税を通じて多くの控除を受けることが可能です。適切な控除額を計算するには、譲渡所得額や住民税額を確認し、税理士に相談することが推奨されます。

◇3,500万円の譲渡所得があった場合のシミュレーション 

年収500万円の人が3,500万円の譲渡所得を得た場合のシミュレーションを見てみましょう。給与所得に基づく住民税所得割額は、500万円×10%で50万円です。一方、不動産売却益に基づく住民税所得割額は、3,500万円×5%で175万円となり、合計で225万円となります。この225万円を基に控除上限額を計算すると、約648,700円となります。計算式は、住民税所得割額225万円×20%÷(90%-所得税率20%×102.1%)+2,000円です。

不動産を売却しなかった場合の控除上限額は約145,700円となり、不動産売却がある年の方が約503,000円多く控除を受けることができます。このように、不動産売却益がある年はふるさと納税の控除上限額が大幅に増え、節税効果も大きくなります。


ふるさと納税は、寄付先の自治体に寄付することで税金が控除され、地域貢献と節税が同時に実現できる制度です。寄付額に応じた返礼品も魅力の一つです。寄付金の控除額は住民税や所得税から差し引かれ、実質的な負担は2,000円のみになります。ただし、控除額には上限があり、年収や家族構成によって異なります。

不動産売却に伴う譲渡所得税も、ふるさと納税を利用することで軽減可能です。譲渡所得税は物件を売却して得た利益に対して課税されますが、ふるさと納税を活用することでその税負担を減らすことができます。ただし、寄付金額には上限があり、事前に自分の控除額を確認する必要があります。

居住用物件を売却した場合、最大3,000万円の特別控除が適用され、譲渡所得税が軽減されますが、控除後も税額が残る場合があります。この場合、特別控除とふるさと納税を併用することで、税負担をさらに軽減できます。特別控除がゼロになると、ふるさと納税の効果はなくなります。

また、物件の取得費が不明な場合、譲渡所得税が高くなる可能性がありますが、ふるさと納税を活用することで税負担を減らせます。ふるさと納税を利用する際には、譲渡所得、住民税所得割額、控除上限額を計算し、適切に活用することが節税につながります。

不動産売却を通じたふるさと納税活用には、売却年内に決済を終えることが重要です。これを守らないと、節税効果が減少することがあります。

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