不動産売却時に発生する必要経費の種類と支払タイミング
不動産売却では、売却価格に加え税金や仲介手数料など複数の経費が発生します。印紙税や登録免許税、譲渡所得税などが代表的な税金で、さらに司法書士への報酬や建物の解体費用も場合により必要です。
仲介手数料は成功報酬として売却成立時に発生し、売買契約時に50%、引渡時に50%を支払います。これらの経費を明確に把握し、節税対策を講じることが重要です。特に、譲渡所得税を抑えるためには、控除の適用や所有期間の確認が有効です。
目次
不動産売却では複数の経費が発生
売却価格に加えて複数の経費が発生し、計画的に資金を管理することが重要です。売却に伴う主な経費を理解し、予算を確保することでスムーズな売却が実現できます。
こちらでは、京都で不動産売却をする方のために、必要経費の種類をご紹介いたします。
◇税金
不動産売却には、複数の税金が伴います。まず、売買契約書に貼付する印紙税が発生し、印紙の額面は売却価格に応じて異なります。
また、所有権の名義変更時にかかる登録免許税の支払いが必要です。登録免許税は所有権移転に必要な経費として購入者が負担するケースがほとんどです。
さらに、不動産売却で利益が出た場合には譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税の税率は所有期間によって異なります。サービスや手続きには消費税がかかり、住宅ローンが残っている場合は抵当権の抹消手続きの際に登録免許税が必要です。
◇不動産仲介手数料
売却を不動産会社に仲介で依頼する場合には、仲介手数料が発生します。仲介手数料は、仲介手数料は不動産会社が買い手を見つけることに成功した場合のみ支払う成功報酬で売却価格に応じて決められた割合で算出されます。
仲介手数の上限は法律で定められていますが、実際の金額は不動産会社によって異なります。仲介手数料がいくらになるかは、事前に不動産会社に確認し計算し、収支を把握しておくことが大切です。
また、2024(令和6)年7月1日より、売買代金が800万円以下の物件に対しては、売買代金に関わらず税込み33万円が上限となっています。
◇必要に応じて発生する費用
他に必要な費用としては、老朽化した建物の解体費用、登記手続きや書類作成を依頼するために司法書士へ報酬などがあります。これらの費用は、必要に応じて発生するため、事前に確認しておくことが重要です。
必要経費を明確にしておけば節税効果も期待できる
不動産は高額なため、必要経費が予想以上にかかってしまうこともあります。しかし、不動産売却に伴う経費を明確にしておけば、スムーズな売却活動だけでなく、節税対策の面で大きなメリットをもたらします。
◇資金繰りがしやすくなる
ローンが残っている物件の売却には、ローンの完済が必須です。
多くの場合、売却で得た資金でローンを完済できるものの、経費が高額になると売却価格によっては返済額に満たない場合もあります。
たとえば、売却時に発生する仲介手数料、売買契約の印紙代、抵当権抹消登記の登録免許税、さらには引越し費用などもかかることが多いため、これらを事前に把握しておくことが大切です。経費を把握することで計画的に物件を売却でき、売却後の資金計画や次の住宅への住み替えがスムーズに進みます。
売却に必要な経費が予想外にかかる場合もあるため、計画的な資金管理が資金不足を防ぐために重要です。
◇節税対策になる
売却時に発生する経費を適切に計上することで、譲渡所得税の負担を軽減できます。不動産を売却して利益が出た場合には、譲渡所得税が課されますが、売却時にかかった費用があれば、これを必要経費として計上することで課税所得を減らせます。
たとえば、不動産会社への仲介手数料や売買契約書に貼る印紙代、登記手続きにかかる登録免許税、引っ越し費用なども経費として認められるケースがあります。経費計上することで、課税対象額が減少し、結果的に支払う譲渡所得税も抑えることが可能です。
資金計画を立てる上で経費を明確にしておくことは、売却後に得られる手取り額を事前に把握し、安心して手続きを進めるための重要なポイントです。また、必要経費をしっかりと計上することで、節税対策としても有効なため、長期的な資金管理にも役立ちます。
主な必要経費と支払うタイミング
不動産売却における経費は、さまざまな手続きに応じて発生し、支払い時期も異なります。不動産売却に必要な経費を事前に把握しスムーズに支払いを行うことは、資金管理と売却の円滑な進行に必要です。
◇税金
不動産売却にはさまざまな税金が発生します。売買契約書に貼付する印紙税は売却契約時に支払い、契約金額によって税額が変動します。また、所有権移転や抵当権抹消時に発生する登録免許税は、所有権移転登記手続きの際に支払います。登録免許税は不動産の固定資産税評価額や性能などに応じて税額が設定されます。
売却によって利益が出た場合に発生する譲渡所得税は、不動産売却によって得られた利益に応じて課税されるものであり売却の翌年に確定申告を行い、納税額が決まります。特に利益が大きい場合には支出が増えるため、申告時に備えて余裕をもった資金を準備しなければなりません。
さらに、不動産売却活動の一環で発生するサービスなどには、すべて消費税が加算されます。消費税は、サービスの利用時にその都度払います。
◇不動産仲介手数料
不動産仲介手数料は、不動産会社を通して売却が成立した場合に支払う成功報酬です。また、仲介手数料は2回に分けて支払うのが通常で、売買契約時に50%、引渡時に残りの50%を支払います。
支払額は宅地建物取引業法に基づく上限が決められており、売却価格に応じた料率に基づいて計算されます。仲介手数料は、売却活動の成功報酬であるため、販売活動を行って買い主が見つからなければ支払う必要はありません。
必要経費は工夫次第で安くすることも可能
不動産売却にはさまざまな経費がかかりますが、工夫を凝らすことで節約が可能です。特別控除の活用や税率を軽減する方法を知ることで、効果的にコスト削減ができます。
◇特別控除を適用する
不動産売却時に適用できる代表的な控除の一つが、「居住用財産の3,000万円特別控除」です。利益が3,000万円までであれば、譲渡所得がゼロになり譲渡所得税を支払わなくて済みます。控除を受けるためには、売却する不動産が自分や家族が住んでいた居住用財産であること、引っ越しから3年後の12月31日までに売却することなどの要件があります。
また、空き家特例を利用することで、相続した家を売却した際に3,000万円の控除を受けられます。適用条件として、相続時に被相続人が一人暮らしだったことや、家屋が一定の耐震基準を満たしていることが求められます。
特別控除を活用する際は、適用可能か事前に確認し、手続きに必要な書類を準備することが重要です。
◇取得から5年を超えて売却する
不動産の所有期間が5年を超える場合、譲渡所得税率が低くなり、売却利益に対する税負担を抑えられます。譲渡所得税には「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の区分があり、不動産を取得してから5年以内に売却した場合、短期譲渡所得として39.63%の税率が課されます。
一方で、5年を超えて所有してから売却した場合には、長期譲渡所得として20.315%の税率が適用されるため、税率が約半分に軽減されます。売却のタイミングに余裕があれば、5年を超える時期まで待つことで、手元に残る利益を増やせます。不動産購入からの年数を確認し、タイミングを見計らって売却を進めることで税額を抑えることが可能です。
◇不動産買取で売却する
売却方法として、仲介ではなく不動産買取を選ぶことも節約につながります。通常、不動産仲介で売却する場合、仲介手数料として売却価格に応じた費用が発生しますが不動産買取ではこの手数料が不要です。
買取は不動産会社が直接物件を買い取る形式で、通常、仲介と比べて短期間で売却が完了するメリットもあります。ただし、不動産買取は仲介に比べて売却額が低くなるのが一般的です。
不動産買取は、不動産をすぐに現金化したい場合や、仲介手数料を節約したい場合に適しています。売却額と経費のバランスを考え、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
不動産売却においては、売却価格以外にもさまざまな経費が発生します。これには税金や仲介手数料、登記費用、場合によっては建物の解体費用などが含まれ、それぞれ支払うタイミングが異なるため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
主な支払いのタイミングをまとめると、印紙税は売買契約書に貼付する際に、登録免許税は所有権移転や抵当権抹消時に支払います。売却利益が出た場合に課せられる譲渡所得税は、売却の翌年に確定申告時に支払い、サービスに課税される消費税の支払いは、サービス利用時です。
仲介手数料は、売却活動を成功させた場合にのみ発生するものです。通常、売買契約時に50%、引渡時に残りの50%を支払います。
不動産売却時には、経費を正しく計上することで節税対策を講じられます。たとえば、不動産会社への仲介手数料や売買契約書の印紙代、登記手続きにかかる登録免許税、引っ越し費用などを経費として計上することで課税所得を減らすことが可能です。
さらに、特別控除制度を活用することも有効です。代表的なものとして「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。また、所有期間が5年を超えた場合、譲渡所得税の税率が下がるため、可能であれば5年以上保有してから売却することで税負担を大幅に軽減できます。
売却方法を不動産買取にすれば、仲介手数料が発生しないため、さらにコストを抑えることが可能です。
不動産売却は経費や税金が多岐にわたるため、これらを事前に把握し、適切に計画を立てることで、売却後の手取り額を最大限に確保できます。節税対策や資金管理の観点からも、経費をしっかりと見積もり、適切に処理することが重要です。
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