不動産の個人間売買とは?不動産会社に相談すべき?
不動産の個人間売買は、第三者を介さずに親族や知り合いと直接取引する方法です。広告費が不要で、物件がすぐに売れるメリットがありますが、適正価格の設定や法律知識が必要です。個人間売買でも不動産会社に相談することで、適正価格の把握や住宅ローンの利用、書類作成の手間を省き、トラブルを回避できます。
特に物件に不備があった場合、売主は「契約不適合責任」を問われ、買主から損害賠償を請求される可能性があります。経験豊富な不動産会社に依頼することで、このようなリスクを軽減でき、よりスムーズな売買が実現します。
目次
不動産の個人間売買とは?
不動産を第三者ではなくて、親族や知り合いなどに譲渡する場合には、通常の売却手続きを経ずに個人間で売買することも可能です。京都でも個人間売買が見られますが、どのような売買がありえるのでしょうか。
◇個人間売却の概要
不動産の個人間売買とは、不動産業者などの仲介を介さずに、個人同士で直接不動産を売買する取引のことを指します。個人間売買では購入主があらかじめ決まっているため、広告にお金をかける必要がなく、物件に買主が着くのを何ヶ月も待つこともありません。
個人同士で直接取引の交渉をするため、価格や引渡し条件などを柔軟に調整できるのも、個人間売却の大きなメリットです。
◇個人間売買のよくあるケース
個人間売買の中でも、最も多いのが親族間での取引です。例えば、親と同居している息子または娘が、生前の親から不動産を購入するケースなどが挙げられます。
あらかじめ不動産を購入しておけば、親が亡くなった場合でも遺産分割の対象とはならないため、相続争いなどのトラブルを避けられます。
また、子どものいない高齢の夫婦の場合、甥や姪が不動産を購入するケースなども珍しくありません。
個人間で売買する際の課題とは?
個人間で不動産を売買するとなると、不動産会社を通さないため、仲介手数料を払う必要がないなど数多くのメリットがあります。とはいえ、高額の不動産売買を素人の当事者たちが行う際には、さまざまな課題があることも否めません。
◇適正価格の設定が難しい
不動産を個人間売買する際に、最も頭を悩ませる問題のひとつが適正価格の設定です。
不動産会社を通して行う通常の売買では、不動産の決定した査定額が適用されますが、個人間で売買を行うとなると、低過ぎる値をつけて損をしてしまうといったケースも出てきます。
市場価格の相場を把握したいときは、国土交通省の土地総合情報システムやレインズなどの不動産情報システムを利用し、周辺の似たような物件の取引価格を調査する方法があります。
◇法律の知識が必要となる
個人間の不動産売買では、ある程度の法律の知識も必要です。特に売主は、「契約不適合責任」についてきちんと把握しておきましょう。
契約不適合責任とは、売買契約において物件が契約内容に適合していない場合に売主が負う責任のことです。引き渡された不動産が契約書に記載された内容と異なる場合、買主は損害賠償を請求できます。
例えば、土地の面積が契約書に記載された面積と異なる、敷地の地下に隣地から来ている排水管が通っているなどのケースが挙げられます。
個人間売買であっても不動産会社に相談すべき理由とは?
たとえ個人間の売買であっても、トラブルを回避するために、不動産会社に相談するのが得策です。不動産会社に相談すれば、物件の適正価格が分かるだけではなく、買い手が住宅ローンを利用できるといったメリットもあります。
◇物件の適正価格がわかる
不動産の個人間売買は、法的には全く問題がありません。しかしながら、個人不動産を売却しようとしても、物件の適正価格がなかなか見極めにくいという問題があります。
不動産鑑定士に物件の鑑定を依頼する方法もありますが、不動産鑑定士に払う費用は最低でも20万円と、かなりの金額になってしまいます。
不動産会社に相談すれば、不動産鑑定士に依頼せずとも適正価格を把握できます。地域密着型の不動産会社であれば、豊富な経験と実績からより精密な適正価格を提示できるでしょう。
売却したい物件が遠方ですぐに不動産会社を尋ねられない、あるいは数社の査定結果を集めたい場合は、不動産の査定サイトを活用する方法もあります。
◇買い手が住宅ローンを利用できる
不動産は高額の買い物のため、ほとんどの買主は住宅ローンを利用します。買主が住宅ローンを組む際に、売主は「売買契約書」や「重要事項説明書」を提出しなければなりません。
特に重要事項説明書は、宅地建物取引業の免許を取得している者でないと作成できないため、多少手数料がかかったとしても、不動産会社に手続きを依頼する方が安心です。
不動産会社に相談すると売買がスムーズ化
個人間の不動産売却では、自分で書類を作成することも可能です。しかし、不動産会社に手続きを依頼することによって書類作成などの手間が省けるだけではなく、さまざまなトラブルを回避できるというメリットがあります。
◇様々なトラブルを回避できる
不動産売買においては、さまざまなトラブルがつきものです。例えば、売主がシロアリや雨漏りなどの被害に気付かないまま売却してしまい、後日買主から契約不適合責任を問えます。
契約不適合責任は物件を引き渡した後、10年間有効ですので、後々トラブルに悩まされることにもなりかねません。不動産会社を通して売買契約を結べば、このように後から生じるトラブルを避けやすくなります。
◇書類等の手間が省ける
書類などを作成する手間が省けるのも、大きなメリットと言えるでしょう。たとえ親子間の売買であっても売買契約書は必要です。また、重要事項説明書は不動産会社に所属する宅地建物取引士などに作成を依頼しなければなりません。
売買契約書や重要事項説明書の記載に抜けや漏れがあると、後にトラブルが発生した際に、売主にとって不利になる可能性があります。このようなリスクを回避するためにも、必ず不動産会社を通しましょう。
不動産の個人間売買とは、第三者を介さずに親族や知り合いとの間で直接不動産の売買を行う方法です。たとえば、親と同居する息子や娘が生前に親から不動産を購入するケースや、子どもがいない高齢の夫婦が甥や姪に不動産を譲るケースがよく見られます。
この方法では、不動産業者を通さないため、広告費が不要であり、物件の購入者が決まるまでの待機期間も短縮されるメリットがあります。また、個人間で直接取引を行うため、価格や引渡し条件などを柔軟に調整できるのが大きな魅力です。
しかし、個人間での不動産売買にはいくつかの課題があります。まず、適正価格の設定が難しいことです。通常、不動産会社を通じて行う売買では、プロによる査定額が適用されますが、個人間取引では過少評価や過大評価のリスクがあります。
個人間での売買でも、不動産会社に相談することが推奨されます。不動産会社に相談することで、物件の適正価格を正確に把握できるだけでなく、買主が住宅ローンを利用する際に必要な重要事項説明書は宅地建物取引士が作成する必要があるからです。
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